定時で帰るためのExcel時短テクニック、今回は「オートフィル」と「フラッシュフィル」の使い方を解説します。特にフラッシュフィルは、Excelが規則性を判断して自動で仕事をこなしてくれるAIのような便利機能なので、覚えておいて損はありません。
(*’ω’*)σ 今まで手入力していた作業が、秒速で片付く可能性大!
2つの機能は似ていますが、以下のような特徴があります。
- オートフィル
↳ 連続したセルに連続したデータを自動入力する機能
↳ 文字列の他、計算式や書式(セルの色や罫線など)を連続反映させることも可能 - フラッシュフィル
↳ Excelが表上の規則性を読み取り、自己判断で自動入力をしてくれる機能
↳ 初めにお手本となる入力をすることで、やや複雑な自動入力にも対応できる
オートフィルよりフラッシュフィルの方が汎用性が高くなっており、文字列の結合や分割も直感的な操作で簡単に済ませることが可能です。
(*’ω’*)σ オートフィルは自動入力特化、フラッシュフィルは表編集も可能といったイメージです
オートフィルとは?|基本編

規則性のあるデータを連続したセルに自動入力できる機能です。よくある使用例としては数字や曜日などの連続入力で、Excel操作の基本中の基本です。
▼ 例/日付を連続入力

マウスポインタがフィルハンドルに変わった位置で、マウスの左クリックを押したまま下方にスライドさせるとドラッグできます。
連続入力できるデータの種類
日付の他に、月や曜日も自動入力できます。予定表を作る際は重宝します。

その他、以下のような使い方も可能なので、何か規則性のあるデータを連続入力したい場合は試してみて下さい。
- 単位は同じまま数字だけカウントアップして連続入力
↳ 1番・2番…や、1枚・2枚…なども一気に入力することが可能 - 頭に記号を付けて数字だけカウントアップした連続入力
↳ A-1・A-2…のように「記号+数字」にも対応できる
自動入力データをカスタマイズする方法
Excelが標準対応する連続入力以外にも、あらかじめ表示させたいリスト編集・登録しておけばオートフィルで利用することができます。
ファイル→その他→オプション→詳細設定と進み、全般の項目内から「ユーザー設定リストの編集」をクリックします。

例えば、チームメンバー(人名)やルーティンワーク(作業)など、自分だけがよく使う並びを登録しておけば、いつでも楽に自動入力が可能になります。
(*’ω’*)σ 試しに、新しくマイオートフィルを登録する流れを解説します。
▼ 「ユーザー設定リストの編集」をクリックした後のダイアログボックス

- 新しいリストをクリック
- 表示したい単語を1語ずつ改行して縦並びに入力
- 追加をクリック
- OKをクリック
ちなみに、オートフィルは横方向にも表示可能です。
先程登録したマイオートフィルを試してみます…はい、国士無双あがりました~。

ここで注目するのはL2セルです。ユーザー設定リストには空欄(スペース)も登録できるので、
例えば1個飛ばしに何か表示したい場合にも使えるわけです。
息抜きがてら少し遊んでしまいましたが、実用的なリストを登録しておけば業務効率が上がる事間違いなしです。
オートフィルの使い方|応用編

オートフィルを使っていると「あれ?この場合はどうしたらいい?」という場面も出てきます。
(*’ω’*)σ 応用編として、ありがちな事例と解決方法を解説していきます。
書式なしコピーで文字列と数式だけを自動入力
オートフィル機能を使うと元のセル書式も連続して反映され、表の見た目が崩れてしまうことがあります。文字列や数式だけをオートフィル表示するには「書式なしコピー」という方法を利用します。
(。´・ω・)? セルの書式とは?
↳ 数値・通貨・日付等の表示形式や、セルの塗りつぶし、罫線などです。
お総菜の販売数を事例に、操作手順を説明します。
①E3に販売合計数を求める数式を入力し、他商品にもオートフィルで計算式を自動入力。(E3に数式を入力したらマウスポインタをE3セルの右下角に合わせてドラッグ)

②数式が反映され合計数が計算されたが、セルの色までコピーされてしまった。(手作業で直すのは面倒だし、これでは時短の意味がなくなってしまう)

③右下に表示されるオートフィルオプションから「書式なしコピー(フィル)」を選択。


「書式なしコピー」で書式以外だけを反映させることにより、計算結果のみが自動入力され、表の見た目にかかわる書式(色など)は初期状態を保つことが可能です。
(*’ω’*)σ データや数式だけをコピーしたい時は、この方法で入力しましょう。
数値を連続入力する方法3選
1 2 3 と連番を入力したいのに、1 1 1 になってしまう!そんな時の解決法です。
1.オートフィルオプションから「連続データ」を選択
フィルハンドルをドラッグすると、右下にオートフィルオプションが出現します。
クリックして「連続データ」にチェックを入れると・・・

2.規則性を示したうえでオートフィル
セルに1と2を入力して2つを選択してから、オートフィルを実行で連番表示できます。
これは1・2ときたら次は3だとExcelが規則性を判断しているからです。
1・3と見本を入力すれば3・5・7…と奇数だけを表示させることも可能です。

ちなみに9:00 9:15と入力してオートフィルを実行すると15分刻みで表示できます。
タイムスケジュールを作成する際などは便利に使えそうですね。
3.Ctrlキーを押しながらドラッグ
「Ctrlキーを押しながらドラッグ」
でも連番表示が可能です。
簡単なのでお試しください。

オートフィルができない時の対処法
どうやってもオートフィルが反映されない場合は、Excelの基本設定に問題があるかもしれません。オプションから簡単に確認できるので、以下の手順を試してみて下さい。
▼ 詳細設定を確認

- ファイルタブをクリック
- オプションを選択
- 詳細設定を選択
- 左図赤枠の項目に✅チェック
フィルハンドルおよびセルのドラッグアンドドロップを使用する
(*’ω’*)σ ココのチェック✅が抜けていると、オートフィルは起動しません。
フラッシュフィルとは?|基本編

関数や&(アンパサンド)を使用しなくても文字列の結合や抽出などの操作ができる機能です。
オートフィルとフラッシュフィルの違い
フラッシュフィルはExcel2013以降で搭載された機能で、オートフィルの進化版です。
オートフィルの特徴 | フラッシュフィルの特徴 |
---|---|
「規則性」で入力 | 「法則性」で入力 |
🔹デフォルト設定されている連続表示 🔹ユーザー設定リストの登録内容を表示 | 🔹Excelがデータから法則や決まりを見つける 🔹Excelが判断して自動入力する |
列方向、行方向ともに表示可能 | 列方向のみ表示可能 |
ある程度決まった内容しか入力できない | 汎用性をもった入力が可能 |
リボンから選択して実行
氏名を姓と名に分ける場合で説明します。まず場合B2セルに「安江」と入力して…

▼ 図のように自動で入力される背景
- 「左隣セルのスペースより前の文字列を入力する」という法則が生まれる
- 姓が文字列としてB列に抽出される
- 「2つ左隣のセルのスペースより後の文字列を入力する」という法則が生まれる
- 名が文字列としてC列に抽出される
例えば単位やシリアルナンバー、敬称などをつけ足したり分割したりする際にも応用できます。
(*’ω’*)σ Excelが手入力したセルの情報を参考に、独自に判断して一括作業してくれます。
フラッシュフィルの使い方|応用編

基本的にはリボンの「フラッシュフィル」をクリックして使いますが、オートフィルのオプションやショートカットからも操作する事が可能です。
(*’ω’*)σ ショートカットで後輩の作業を手伝った時に「魔法や!」と言われましたが標準機能です
オプションから選択して実行
先程と同様にスペース位置で判定してくれるので、ローマ字でも自動入力できます。

ショートカットで実行
ショートカットでも実行できます。法則さえあれば文字列の結合も簡単です。

フラッシュフィルができない時の対処法
とても便利な機能ですが、万能というわけではありません。
✔ 実行できるのは列方向のみで、1度で処理できるのは1列ずつ
✔ データの状態によってはエラーが出る場合がある
✔ エラーは出なくても、思ったような処理がされない場合がある
1.設定を確認する
ファイル→オプション→詳細設定の編集オプションで「オートコンプリートを使用する」と
「フラッシュフィルを自動的に行う」にチェックが入っているか確認します。

2.見出しの書式設定をデータ部分とは違う設定にする
Excelが見出し部分もデータの一部と勘違いして、正しく処理されない場合があります。
それを回避するために、見出しの書式設定はデータ部分と違う設定にしておきましょう。
塗りつぶしでも太字にするでも、とにかく書式を変えればOKです。

3.Excelにヒントを与える
サンプルを1つ入力してフラッシュフィルが失敗しても、2つ目も入力してあげると成功する場合があります。ヒントが増えたことでExcelが法則性に気付くのです。
それでもエラーが出る場合・正確に処理されない場合
フラッシュフィルが苦手とするデータパターンがあるので、
以下の点に注意して処理しましょう。
✔ スペースや区切りなど、一貫性のないデータ
✔ 空白行があるデータ、不規則にセルが結合されているデータ
✔ ふりがな付きのデータ
複雑なデータ処理や更新頻度の高いデータでは、関数や区切り位置指定ウィザードを使った方が結果的に効率が良い場合もあります。しかしこの手軽さとスピードは一度試す価値ありですよ!