ペーパーレス化が進み、オンラインでの取引や契約が増加しており、電子印鑑に注目が集まっています。この記事ではExcelで電子印鑑を作成する方法と、メリット・デメリットについて解説します。
(*’ω’*)σ コロナ渦の影響もあり、落ち着いてからもデジタル化の動きは進んでいます。
電子印鑑とは文字通りデータ化された印鑑のことで、電子書類にデータ化された印影を押印できるものです。
▼ 電子印鑑は大きく分けて2種類
- 印影の画像データとしての電子印鑑
↳ 単に印影を画像化したもの - 印影の画像データ+所有者やタイムスタンプの情報を含む電子印鑑
↳ 持ち主や押印した日付などの識別情報も組み込まれたもの
本記事では両方のタイプを紹介しますが、Excelで自作できる電子印鑑は1つ目の単に印影を画像化したものに当てはまります。
(*’ω’*)σ 普段押している認印(みとめいん)の代わりに使用するには十分なものです。
電子印鑑のメリット
業務効率が上がる
電子印鑑を採用すると、あらゆる作業を紙ではなくデータで処理する事が可能になり、業務効率が上がります。
- 紙を媒体とした事務処理による手間から解放される
↳ 印刷・押印・スキャンの手間が無くなり、PC画面上で押印が可能
↳ 押印したデータをメールで送信すれば、宛名書きや発送の手間も無い - 書類管理がデータ化する事で作業効率が上がる
↳ データであれば検索で欲しい情報が取り出しやすく、処理速度が上がる
↳ ソートや抽出で情報の管理がしやすく、コピーや配布も紙処理に比べて何倍も速い
たとえ盲判(めくらばん)だとしても必要とされてきた、不毛な作業から解放されます。電子印鑑を導入すれば、連続で押印した際のインク移りを気にする必要もありません。
ペーパーレス化が進む
紙の消費が減る事で地球環境に優しく、会社にも多くのメリットをもたらします。
- 紙書類のプリントアウト減少による経費削減
↳ 印鑑自体や朱肉が不要になり、コピー用紙やトナーにかかる費用も削減できる
↳ 紙で郵送からデータ送信に切り替えることで、封筒や切手にかかる経費も削減 - 書類をデータ管理することでコンパクトに保管できる
↳ 印刷した用紙を閉じるファイルや保管場所も必要なくなる
電子印鑑のデメリット
複製や偽造のリスクがある
通常の印鑑でも同じリスクはありますが、手軽に作成できる電子印鑑は複製も容易という事です。
▼ 対応策
- 自作する場合はオリジナリティを出す
↳ わざと歪みをつけたり、飾り文字を入れる事で差別化を図る - 識別情報が盛り込めるサービスを利用する
↳ 重要書類へ押印するなら、識別情報を搭載した電子印鑑の利用が望ましい
↳ Shachihata Cloud、GMOサインなど、有料だがセキュリティー面もサポートあり
電子印鑑が使用できない文書もある
2005年施行の「e-文書法及び電子帳簿保存法」で、会計帳簿や注文書、請求書など国税関係書類の電子化が認められましたが。しかし電子印鑑が認められない文書もあります。
▼ 電子印鑑が認められない文書
- 書面契約が義務付けられている場合
↳ 一部の契約書については紙書類を用いての契約が法律上義務付けられている
↳ 建設工事請負契約や農地賃貸借契約など - 取引先企業や社内ルールで電子署名の使用を認めていないケース
↳ さまざまな理由から電子印鑑・電子署名を認めていない企業もある
電子印鑑作成法① Excelの図形とテキストボックスで自作
あえて色ムラを作ってリアル感を出し、Excelの標準機能で再現できる限界を目指します。
少しかすれた感じや、電子印鑑だからこそ可能な細かい飾り文字も作り込みます。
土台の円を描く
挿入タブ→図形→楕円を選択。Shiftを押しながらドラッグして正円を書く。
印影の枠を仕上げる
図形の書式→図形の塗りつぶし無しを選択。
図形の枠線→その他の枠線の色を選択。
ユーザー設定で【 R241 G90 B34 】朱色にしてOKをクリック。
図形の書式設定を開く。線の幅を太く3ptに設定。
グラデーションにチェック入れて方向を指定。色むらをつける。
多重線の「太線+細線」を選択すると、内側に細い線が入って二重になる。
このひと手間が後々リアル感を出してくるポイント。
文字を入れて加工する
5. 名前は文字の間を詰めるため、1文字ずつテキストボックスで入力。
行書の太文字が印鑑らしくなる。枠と同様手順でグラデーション色を調整。
オリジナリティーを出すなら飾り文字等を入れて完成。
6. 最後にPNG形式の画像(背景透過の画像)で保存する。
全ての図形とテキストボックスをグループ化してPowerPointにコピペ
図形を右クリック→「図として保存」をクリック
PNG形式で任意の場所に保存(この作業はWordでも可能)
°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖° 見積フォームに画像挿入して押印するとこんな感じです。
わざと少し傾けたりすると本物感ハンパないですね。
電子印鑑作成法② 実際の印影をExcelで加工
印影をデータ化する
1紙にハンコを押してスマホで撮影、またはスキャンしてExcelに取り込む
写真なら挿入タブから画像挿入、スキャンならスクショでも大丈夫です。
- ハンコはしっかりくっきり押印したものを使う
- 撮影する場合は影が入らないように注意
※適当なハンコが無かったので、説明用の画像は作成法①で作ったもので代用させていただきます
印影データを修正する
図を選択した状態で図の形式タブ→背景の削除をクリック
Excelが自動で残す部分を表示してくれるが、たいがい修正が必要
プラスのペンで残したい部分をクリックすると赤く色が変わる
文字の中抜きなど消したい部分はマイナスのペンでクリックする
印影データを加工して仕上げる
修正が終わったら下図参考で仕上げの調整を行う。
完成したら作成法1と同様にPNG形式の画像(背景透過の画像)で保存する。
電子印鑑作成法③ Excelアドインを利用する
フリーソフト「Excel電子印鑑」をダウンロードする方法もあります。
無料でダウンロードできて、角印や日付印も作成可能です。▶サイトはこちらから
ダウンロードしたらZIPファイルを解凍し、「アドインインストール用.xls」を開いてインストールします。完了するとワークシート上で右クリックしたときのメニューに「Excel電子印鑑」という項目が追加されます。